先日の修学旅行での一コマです。1日目、京都タワーでの買い物タイム。
集合時刻が近づいてきた時、一人の女の子が「先生、キーホルダーを買い
たいんですが」と言ってきました。買い物は班別行動が基本ですが、彼女がど
うしても買いたそうにしていたので、「わかった。先生が見ているから」と買いに
行かせました。何カ所かのキーホルダー売り場を回る彼女を、私は、「誰に買っ
ているんだろう?自分に?家族に?」と思いながら、見ていました。
そのうち、彼女は一つを選び、支払いをすませるとそれを手に戻ってきました。
集合場所に着いて、彼女がとった行動。それは、私の予想にはないものでした。
彼女は、そこで待ってくれていたバスガイドさんの所に近づくと、「これ!」と先ほ
ど買ったキーホルダー入りの袋を渡したのです。ガイドさんは、「私に?」と驚い
た表情をしながらそれを受け取りました。これまで私は、何回か子どもたちと一
緒に修学旅行に出かけましたが、子どもがガイドさんにおみやげを渡すという光
景を見た記憶はありません。「ガイドさんに」という予想をこれっぽっちもしていな
かった私には、その光景は、とても衝撃的で、胸にじんとくるものがありました。
ガイドさんは、その袋をそっと開けて中を見ていましたが、その様子から、とても喜
び感動していることが見て取れました。
全員が集合した時、他の子どもたちから「ガイドさん、目が赤いよ」と指摘され、
適当にごまかされたガイドさんでしたが、それまでの一部始終を見ていた私には、
すぐにその訳がわかりました。今日出会ったばかりのガイドさんへの思いやり。
とても心温まる一コマでした。